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2019/11/11更新

芸文社

GT-Rの歴史HISTORY of GT-R

1969年2月に発売されたPGC10スカイライン2000 GT-Rは、2019年2月にちょうど発売から50年を迎える。日産自動車のみならず、国産スポーツカーの代名詞ともいえる「GT-R」の名前は、50年の間に2度の中断を挟みながらも着々と進化を遂げてきた。初代ハコスカGT-Rから、最新のR35GT-Rまでの歴史を振り返ってみよう。

 スカイライン2000GT-Rは1968年10月に開催された第15回東京モーターショーでベールを脱ぎ、翌69年2月に「GT-R」を名乗って発売に移された。最初のGT-Rは4ドアセダンで、型式はPGC10だ。

 70年10月には戦闘力を高めた型式KPGC10のハードトップGT-Rに発展する。心臓は、量産エンジンとして日本で初めてDOHC4バルブ方式を採用した直列6気筒のS20型だ。排気量は1989ccだった。3基のソレックス40PHHキャブを装着し、160ps/18・0㎏-mを発生した。トランスミッションは5速MTだ。

 73年1月、第2世代のGT-Rにバトンを託した。このKPGC110は、唯一、レースに参戦しなかったGT-Rだ。これ以降、絶えていたが、89年8月に平成のGT-Rが登場する。型式BNR32を名乗るGT-Rで、2568ccのRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボを搭載した。サスペンションは4輪ともマルチリンクだ。

 電子制御トルクスプリット4WDを採用した新世代のGT-Rは異次元の走りを披露し、サーキットでも敵なしだった。95年1月、BCNR33と呼ぶGT-Rが誕生。98年1月には4ドアの「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」を投入する。

 99年1月8日にBNR34の型式を持つ直列6気筒エンジン最後のGT-Rがベールを脱いだ。改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボにゲトラグ社製の6速MTを組み合わせ、意のままの気持ちいい走りを見せつけた。07年10月、V6ツインターボのニッサンGT-Rが発表され、12月に販売を開始する。

1969年2月 PGC10発売

 スカイラインGT、GT-Bの流れを汲む硬派のスポーツモデルが2000GT-Rだ。サーキットで勝利するために開発され、1968年10月の第15回東京モーターショーでデビューする。「R380エンジン搭載車」の名で参考出品され、JAFグランプリを見据えた69年2月に発売された。最初のGT-Rは4ドアセダンで、型式はPGC10だ。ボンネットの中には量産エンジンとしては日本初のDOHC4バルブ方式の直列6気筒が収められている。S20型はプリンスR380に積まれているGR8型とを手本とした新設計のエンジンで、最高出力は160ps/7000rpmだ。トランスミッションはポルシェシンクロの5速MTを採用した。

1969年10月 マイナーチェンジ

1970年10月 KPGC10発売

 4ドアのGT-Rは69年10月にフロントマスクを化粧直しし、エンジンなどの改良も行った。そして70年10月にハードトップGT-Rを送り出している。型式はKPGC10だ。空力性能やハンドリングをよくするためにクーペボディを採用し、ホイールベースも70㎜短くした。また、ワイドタイヤを履けるように、リアフェンダーに樹脂製のオーバーフェンダーを被せている。車両重量もセダンGT-Rより20kg軽い。パワーユニットはS20型直列6気筒DOHC4バルブを受け継いだ。基本はセダンGT-Rと変わっていないが、レギュラーガソリン仕様が加わっている。レースでは破竹の快進撃を続け、常勝神話を築いた。

1973年1月 KPGC110発売

 3代目スカイラインで登場したGT-Rは、73年1月に初めてのモデルチェンジを断行している。これが「ケンとメリー」のGT-Rだ。第2世代にはKPGC110の型式が与えられ、精かんなルックスで登場した。専用のグリルを採用し、前後のフェンダーには樹脂製のオーバーフェンダーを被せている。また、リアにはスポイラーを装備した。サスペンションはストラットとセミトレーリングアームの独立懸架を受け継いだ。大きく違うのはブレーキで、ディスクブレーキをリアにも装備した。エンジンはS20型直列6気筒だ。KPGC110は唯一、サーキットに姿を現さなかったGT-Rで、生産台数も200台ほどにとどまった。

封印されたGT‐R

 ケンとメリー以降、GT-Rは16年間封印されたが、その間にもGT-Rと呼べそうな硬派モデルは存在した。その筆頭が6代目R30スカイラインの「RS」シリーズだ。81年10月に登場した2000RS(型式DR30)は、新設計のFJ20E型を搭載。直列4気筒だがDOHC4バルブ方式で、GT-Rを名乗ってもおかしくないハイスペックなエンジンだった。83年2月には「史上最強」のRSターボも投入している。だが、4気筒という理由で、GT-Rを名乗れなかった。続く7台目R31では、直列6気筒DOHCが復活。87年登場の2000GTS-R(HR31)はRB20DET型エンジンを搭載し、210psを発揮するグループAホモロゲーションモデルだったが、GT-Rの名前は与えられなかった。

1989年8月 BNR32発売

 元号が平成に変わった89年5月、スカイラインは8代目にバトンタッチしている。このとき16年ぶりにスカイラインGT-Rの名を冠した高性能モデルが復活することが発表された。ポルシェなど、欧州のスポーツカーを凌駕する走りを目標に掲げ、リーダーとして開発されたのが型式BNR32のGT-Rである。歴代のGT-Rは2Lの排気量にこだわってきたが、グループAレースを制するために排気量を2.6Lまで拡大した。心臓はRB26DETT型と呼ぶ直列6気筒DOHC4バルブで、セラミックタービンを組み込んだツインターボを装着する。駆動方式は電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TSだ。

1991年8月 マイナーチェンジ

1992年2月 マイナーチェンジ

1995年1月 BCNR33発売

 サーキットで新たな神話を築いたBNR32GT-Rは95年1月、後継のBCNR33 GT-Rに主役の座を譲った。先代よりホイールベースを延ばし、ボディは大柄になっている。心臓は、トルクとレスポンス向上を図った改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボだ。4輪マルチリンクのサスペンションやアテーサE-TS、スーパーHICASなども受け継いでいる。BCNR33 GT-Rは2ドアクーペだが、4ドアボディのR33GT-Rも用意された。98年1月、スカイライン生誕40周年を記念して送り出された「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」は4ドアのGT-Rだ。

1996年1月 マイナーチェンジ

1996年2月 マイナーチェンジ

1999年1月 BNR34発売

 99年1月8日、東京オートサロンの会場で鮮烈なデビューを飾ったのがBNR34GT-Rだ。最強のロードゴーイングカーを目指して開発され、「究極のドライビングプレジャーの追求」を開発コンセプトに掲げている。メカニズムは、4WDシステムを含め正常進化だ。パワーユニットは改良型のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボで、280ps/40kg-mを発生する。トランスミッションはゲトラグ社製の6速MTだ。空力性能を向上させるためにブレーキ導風板や車体の下部を覆うアドバンスドエアロシステムなども採用した。直列6気筒エンジンを積む最後のGT-Rで、今も人気が高い。

2000年10月 マイナーチェンジ

2002年12月 BNR34販売終了

2007年12月 R35発売

 BNR34GT-Rは2002年に生産を終えた。これ以降、空白の期間があったが、2005年秋の東京モーターショーに「GT-Rプロト」を参考出品している。その2年後の07年10月、R35GT-Rが正式発表された。それまでのGT-Rと大きく違うのは、スカイラインとは別の、専用設計のスーパースポーツであることだ。「ニッサンGT-R」を名乗り、3.8LのVR38DETT型V型6気筒DOHCツインターボを搭載している。これにゲトラグ製のツインクラッチ6速DCTを組み合わせた。サスペンションはダブルウイッシュボーンとマルチリンク、駆動方式はフルタイム4WDの進化型アテーサE-TSだ。

2010年11月 マイナーチェンジ