ロータス・エランシリーズ4クーペをご案内致します。
戦後、バックヤードビルダーとしてスタートしたコーリン・チャップマン率いるロータスは、1960年代半ばにはF1などのレースシーンでの活躍により、
その名声を築き始めていました。
優秀なコンストラクターであり、またビジネスマンであったチャップマンは、既に市販スポーツ・カーのマーケットにおいても、ロータス7、エリートなどで成功を収めていました。
1962年にエリートに代わる新たなモデルである「エラン」が誕生します。それは、その後のライトウエイトスポーツ・カーの礎になったとも言えるほど、素晴らしい設計を持ち、小排気量ながら高性能を実現。強靭なバックボーンフレームは、独特の形状を持っており軽量かつ優れた捻じり剛性を実現していました。その優れたハンドリングはこのフレームに担う部分が大きいと言えるでしょう。ウレタン・フォームを充填したFRP製のバンパーや、リトラクタブルヘッドライトを採用するなど、新機構も盛り込まれました。
1968年にシリーズ4となりモデルチェンジを受けると同時に、特徴的だったバンパーがスチール製に代わり、ライト廻りのデザインやテールランプの形状も変更されましたが、車重もサイズも若干増えてパワーウインドウを装備、初期型と比較して後の「大型化・高級化}の兆しを感じさせるものでした。
SEでは1.5Lのフォードユニットにウエーバーキャブを介してノーマルの105馬力に対して115馬力を発生。僅か700キロ少々の軽量なボデイーと相まって、その走りは本格派スポーツカーとして恥じないものです。ホイールもセンターロック式に改められ、タイヤサイズの拡大により、フェンダーのホイールアーチの形状も変更、空力特性に優れたボディーデザインにより最高速度195キロを実現しています。
勿論、世界中で様々なモータースポーツに供され、アマチュアのクラブマンレーサー達により目覚ましい活躍をしています。日本でも、エランにまつわるレースシーンでの活躍と言えば、伝説のレーサー、浮谷東次郎がいます。昭和40年7月の船橋サーキットで行われたCCCレースにおいて、降りしきる雨の中ワークス勢のスカイラインを破り、最後尾に近いポジションから生沢徹のホンダS800を捉え逆転優勝するなど多くのファンに記憶されています。
いざ乗り込んでみると、シートポジションの自由度も高く、大柄な私でも充分良好なポジションが取れます。軽いタッチのペダル類や、カチカチと決まるシフトフィーリング。意のままに操れる軽快な操舵感など、ライトウエイトスポーツの面白さが詰まった実に楽しいクルマです。また、以外に疲れないので、1日中乗っていたくなる感覚になります。
是非一度、この素晴らしいエランをご覧になって下さい。現車をご覧になられて、決して落胆されることは無いと思います。